高齢者の膝痛の原因は、
実に半数以上がこの病気
変形性膝関節症は高齢者になるほどかかりやすくなる病気で、65歳以上の女性においては、まだ膝に痛みがない人も含めると4割以上の人が変形性ひざ関節症であることが分かっています。
この病気は、軟骨の擦り減りにより膝関節がどんどん変形して行ってしまう病気です。
軟骨は、コラーゲンやプロテオグリカン(ヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミン、キチン、キトサン等が主成分)等から構成されていますが、その軟骨の成分は左図にあるように加齢と伴にどんどん減って行ってしまいます。
20歳時の量をそれぞれ100%とすると、コンドロイチンは40歳で約半分、コラーゲンとヒアルロン酸は50歳で約半分、60歳においてはコンドロイチンとヒアルロン酸の量は何と4分の1程度にまで減少してしまうのです。
階段昇降時の膝の痛みの原因はサイトカイン
階段を上り下りする時に膝に痛みが走るのは、軟骨の擦り減りが直接の原因ではありません。軟骨には神経がありませんので、軟骨を損傷しても痛みは感じないのです。
では、痛みの原因は何でしょうか。軟骨が擦り減りを起こした際、剥離した軟骨の破片が関節包内の関節液中を漂い、滑膜(かつまく)を刺激して炎症を起こします。
滑膜が炎症を起こしますと、膝関節内部にサイトカインという痛みを引き起こす化学物質が出ます。このサイトカインこそが膝の痛みの原因です。
軟骨の擦り減りが気になったら
軟骨がこれ以上擦り減らないようにすることが最も重要
軟骨の擦り減りを引き金に痛みを引き起こす化学物質・サイトカインが生じるため、軟骨の擦り減りを起こさないようにすることが必要です。
軟骨の擦り減りを起こさないようにするためには、膝の軟骨成分の補充、膝へ負荷をかけ過ぎないこと、大腿四頭筋の強化などが大切です。
膝へ負荷をかけ過ぎることはよくありませんが、逆に膝に全く負荷を与えないのもよくありません。適度に負荷を与えることは膝軟骨を丈夫にします。
水中歩行など膝にあまり負荷をかけないような運動がお勧めです。
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軟骨成分の働き
コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチンといった軟骨成分にはどのような働きがあるのでしょうか?これら軟骨成分の役割について見てみましょう。
コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチンをまとめて効率よく補うなら
階段の昇降時に膝に痛みが走る場合、変形性膝関節症になっている可能性があります。変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨が変性や磨耗したりすることで骨膜に炎症が起き、痛みを伴う疾患のことです。
そのまま放置しますと、どんどん悪化して行き、軟骨は全て擦り切れ、骨にまで磨耗が及ぶようになります。関節は変形しながら再生と磨耗を繰り返し、最終的には歩くことすらできなくなってしまう病気です。
変形性膝関節症の初期症状は、膝がコツコツ音を立てたり、ミシミシ鳴ったりする程度で痛みはありません。しかし、そのまま放置しておきますと、走行時など、膝に大きな負担がかかる時に膝が痛むようになり、更に進行しますとあなたのように階段の昇り降りで膝に痛みが生じるようになります。
痛み止めなどは一時的なごまかしに過ぎませんので、根本原因を解決する必要があります。変形性膝関節症の起きる原因は膝に大きな負担をかけ続けたり、膝関節が弱体化していること等が原因です。
変形性膝関節症にかかったら、膝への負担を軽減する必要があります。肥満なども膝へ大きな負担をかけますから肥満の方は体重を減らすよう努めなくてはいけません。
膝関節が弱体化する原因としては、妊娠時や産後のホルモンバランスの崩れや加齢による膝関節の構成物質の減少などがあります。
ですから、変形性膝関節症になったら膝への負担を軽減すること、そして、膝関節の構成物質の回復が重要です。
膝関節の構成物質の1つにヒアルロン酸があります。この物質は膝関節の動きを滑らかにし、膝関節の擦り減りから守る働きがあります。